2015年5月19日火曜日

アイオワシティ 洪水のお話①:2008年6月-8月の時系列

 竜巻のことを書いたので、災害ついでに2008年にIowa Cityを襲った洪水のことを
思い出してみたいと思います。
"洪水"と書きましたが、いわゆる鉄砲水みたいなやつではありません。
鉄砲水って、ある程度の高低差が無いとあんなに激しく流れないと思います。

Iowa Cityは中西部のド平野に位置しているし、近くに山も無いため、鉄砲水は起こり
ません。
ではどんな洪水かというと、ジワーッと水位が上がってきて、街の低いところから徐々に
水に浸かり始めるタイプです。
水位の上がる速度がある程度予測できるため、

・街のどの部分が、いつ頃浸水しそうかの予報が出る
・それまでに土嚢を積んだり、対策が取れる(でも結局浸水するんですが…)

んです。
2008年6月の洪水騒動、これも時系列で書いていきます。

2008年5月下旬
この年は、4月5月に結構雨が降りました。その雨はまあ、川に流れ込みます。
小さい川の支流がいくつも、Iowa Cityの北にあるCoralville rakeに繋がっています。



ここの水位が、ジワジワと上がり始めたのが確か、5月中旬~下旬だったと
記憶しています。何故記憶しているかと言うと、Coralville rakeのダム放水が、
例年に無く豪快だということで、研究室の友達と見に行ったからです。
跳水現象(Hydraulic jump)だよね…とか言いながら、見に行きました。

2008年6月上旬
この頃、Mayflower dormの前にあるIowa City Parkが、水に浸かり始める。
どんだけ浸かったかというと、いつもならグラウンドがある場所が川と化して、
そこで釣りやってる人が居る始末。



同時期に、Iowa Cityの大部分が浸水の可能性があるので、土嚢を積む等の
対策を取るよう、学校側から指示が出始めました。
この辺りでめちすけたちも、どうやら"ガチ"なシチュエーションに気付き始めます。

2008年6月中旬1
アイオワ大学のキャンパスの至る所で、浸水開始。
学生が避難(evacuation)を開始する。というか、避難命令が出る。
めちすけが居たビルディングも、もれなく避難命令の対象となりました。

しかし!

この一番おいしいタイミングで、めちすけはアイオワに居ませんでした。
ちょうど会社の採用試験があり、キャンパスを留守にしていたのです。
その期間およそ1週間。
その間に、めちすけのビルディングに対して土嚢積み・避難準備および避難が行わ
れました。親切なオフィスメイトたちが、荷物も全て運んでくれていました。
こんなんなってたら、もう逃げるしかないですよね。



ここで非常に運が良かったことがありました。
キャンパスを留守にする前に、私は自分の車を、高台の友人の家に避難させていた
んです!採用試験に出発する前日、"まさかね…"と思いながらも一応車を避難させ
ていたことが、功を奏したのです。お陰で車の浸水も免れましたし、帰ってきてからの
足にも困ることはありませんでした。

2008年6月中旬2
採用試験から帰ってきたら、オフィスのみならず自分の家にも避難命令が出ていて、
あろうことか停電までしちゃってました。そりゃあ、家の周りこんなんなってんだから、
しょうがないわな。ここ、本当はHighway 6という幹線道路です。


なので、採用試験から帰ってきてまずやったことは、

・冷蔵庫のものを全て処分
・パスポートやらI-20やら、重要な書類をピックアップ
・最低限の着替えをピックアップ

して、自分の車を避難させてもらっていた友達の家に、身を寄せたことです。

2008年7月上旬
1週間程度は何にも出来なかったのですが、研究室の教授から、図書館に集合して
仕事するぞ!という招集が掛かり、水に浸かっていない道を探しながら図書館に向かい、
仕事を始めました。自前のノートPC、4月に買っといてよかった。



ネットワーク状態が良くなく、計算サーバーにアクセスすることが出来ません。
なので結局、避難先の家からサーバーにアクセスして仕事をしていました。
そのまま夏休みには入れれば、どんだけ幸せだったことか。。。

2008年7月中旬
Iowa Cityの浸水が引かない中、めちすけは無事、志望の会社から内々定通知を
受け取りました。非常に複雑な状況の中でしたが、これは嬉しかったなあ…
この少し後、キャンパスの一室に臨時研究室が設置され、"出勤"してマトモに仕事
が出来るようになりました。


2008年7月下旬
自宅アパート地域のevacuationが解除され、家に戻ることが出来ました。
その後、研究室があったビルディングのevacuationも解除され、秋学期が始まった
少し後に元通りの生活に戻ることが出来ました。

以上が、2008年6月のアイオワシティ洪水顛末です。

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