2015年8月16日日曜日

アイオワでJUDO?:アイオワ大学柔道部物語…の始まり

 この留学を振り返って、勿論専門知識を得ることが出来たことは大きな収穫なんですが、
それを達成するにあたって、本当に大切だったことの1つが柔道でした。


柔道を通じて、地域や学校に溶け込むことが出来、素晴らしい人達との携わりがあり、
自身も成長することが出来ました。柔道が無かったら、学位は取ることは出来ていたかも
しれませんが、留学の価値・意味は半減していたかもしれません。
それくらい大きな存在だった。

このことを思い出す上でまず、なぜ柔道やったんか?ということから。

留学生活を始めて数週間経って、心の余裕は無いにしても、何か体動かしたいなあと
思うようになりました。うろ覚えですが、住む家が見つかる前後の時期(5月終わり頃?)
だったと記憶しています。

めちすけのスポーツ経験(部活レベルでってこと)は、中学・高校・大学を含めて

■ テニス
■ 柔道
■ 水泳

くらいです。そして、どれもこれも超普通のレベルでした。
インターハイに出るわけでもなく、県大会に出るわけでもなく。
しかもテニスと柔道は長続きせず、これがずっと心にひっかかっておりました。

なぜか。

それは、団体でやるスポーツ(練習・合宿etc)を通じた人間関係の深まり、それを深める
ことの大切さを、イヤと言うほど感じていたからです。
テニス/柔道を続けていれば、その年代における自分の人間関係は、もっと深まっていたし、
自身ももっと人間的に成長していたかもしれない。

テニスと柔道を中途半端にした際に、結構人に迷惑もかけて、それを申し訳なく思って
いました。また、人間関係を深められかつ自身が成長出来る機会を、自ら手放した自分
にも、言いようの無い不甲斐なさを感じていました。

当時はアイオワではまあ、ストレス解消程度に体を動かせればいいや位に、思っていました。
で、やるなら自身に経験がある上記3つのスポーツが良いなあと思っていました。
その中から柔道を選んだ理由は、

・当時のアイオワ大学には日本人が少なく、特に学科内では自分1人だった
・だから、日本的なものに飢えていた
・単純に、柔道が好きだった

からです。
当時、アイオワ大学柔道部のヘッドコーチをしていた方は、めちすけと同じ建物に居られた
教授でした。しかも、元々欧州の代表チームにも入っていたことのある、そりゃあ文武両道
な方だった。そして人間的にも素晴らしい方で、自分は今でもアイオワの第2の恩師と思って
います。(以下、W先生と呼びます。)

W先生にお願いに言ったところ、練習に参加することを快諾してくれました。

"フランクな雰囲気だから、きっと君も気に入る。日本で、一応黒帯取ったんでしょ?
やるんならちゃんとやろう。"

で、思ったわけです。
ここで博士課程終わるまで、もう1回ちゃんとやってみよう。
そしたら、昔得られなかったものが得られるかもしれない。

2003年5月終わり、私のアイオワ大学柔道部物語の始まりでした。

授業の履修登録について②:具体的には

 アイオワ大学・大学院の授業履修登録は、Iowa Student Information System (ISIS)
というwebベースの方式で行っていきます。
以下、工学部機械工学科(College of Engineering, Mechanical and Industrial Engineering)
を例にとって、説明します。

上記webサイトにおいて、学科が開講している授業を探すには

Courses→Browse By→College&Department→College of Engineering
→Mechanical and Industrial Engineering

と進んでいきます。こんなページに行き着くはずです。



このページにはどんな情報が載っているのか。
図中、赤線で囲んでいる授業を例にとって説明します。
情報は左から、"Course #" "Title" "Hours" "Notes" "Enrollments" の順に並んでいます。

■ Course #

開講される授業には、全て個別の番号が付いています。めちすけが居た時期は、機械工学科
の学部番号"058"および授業番号"269"がついて"058:269"が、"Computational Fluid&Thermal
Engineering"を表していました。現在は、このCourse #の仕様が変わったようです。

■ Title

授業の名前です。"Computational Fluid&Thermal Engineering"。
"Prerequisites"とは、本授業を取る前に受講しておかなければいけない、もしくは受講しておい
た方がよい授業を示しています。"ME: 3045"を取っておいて下さい、ということです。
9:30A-10:45A MWF 4030 SCとは、
"開講時間は朝9時半から10時45分、毎週月水金、場所はSC(Seamans Center)の4030号室"
の意味です。
Instructorは、C.L.Lin先生。

■ Hours

この授業を取ることで得られる単位数(Semester Hour=S.H.)。3単位取れるということ。

■ Notes

その他注意事項です。この授業では特に書かれていませんが、"Restricted to Engineering
majors"とか書かれている場合があります。その場合、例えば数学専攻の学生が受講しよう
としても、無理なのです。

■ Enrollments

"Open"と書かれていれば、履修登録可能。
"Closed"と書かれていれば、登録できません。
"Waitlist"と書かれていれば、キャンセル待ちで登録が可能。

ここは結構生々しくて、人気のある先生であれば直ぐに埋まってしまいます。
逆に、必修であっても人気の無い先生であれば、いつまでも空きが目立ちます。
"A of B enrolled"とは、授業定員数B人のうち、A人が既に登録済みということです。

今はどうか分かりませんが、めちすけの居た当時は最小開講人数が4人でした。
なので、学期が始まるまでに受講予定者数が4人に満たない場合は、その授業がキャンセル
になっていました。よく起こりがちなのが、大学院博士課程向けの超マニアックな授業。

こんな感じで、自分が勉強したいことと研究に関係する内容、単位の取りやすさ等を勘案して、
各学期に取る授業を選んでいきます。
日本で良くある、過去問・シケプリも意外とアメリカにもあります。
が、
先生方も教えることに情熱を持っている方が多いため、毎学期教科書も変われば、内容も
変わることが多いです。従って、過去問・シケプリも"無いよりはマシ"程度の情報にしか
ならず、結局自分たちで勉強しなければいけないことが多いです。

留学生は、めちすけが居た時代では、学科規定の単位数を取り終わるまでは、最低9S.H.=3つ
の授業を取らなければ、Academic Status(在学資格)が保てないようになっていました。
なので、専門科目に加えて、数学科とかの授業を取ってつじつまを合わせていた時期も、あり
ました。そうでないと、学期毎に1つの授業しか取らず、長々といつまでも学生を続ける輩が
いるからでしょうね。よい対策だと思います。

日本ではあり得ない感覚でしたが、毎学期、どんな授業が開講されるのか楽しみでした。
"楽しみ!"と感じさせてくれる授業が、実際にあるからです。

2015年8月15日土曜日

授業の履修登録について①:どんなイメージか

 大学や大学院で、授業の履修登録を行う方法について思い出してみます。
めちすけが大学生の頃は、そんなにIT化が進んでいなかったので、履修登録は紙ベース
だった記憶があります。マークシートに、登録する授業を選んで学務課に提出…みたいな。
選ぶ授業も、一般教養・専門基礎・専門科目なんてあって、一般教養なんて通しの授業しか
選ばなかった。

アイオワ大学大学院でも、修士/博士課程修了までに取らなければいけない単位数(credit)
は決まっています。日本だと、2学年とか3学年に上がる前に、ある科目を落としていると
進級出来なかったりしますが、少なくともアイオワ大大学院は、そんなのはありません。
(ただ、Aという授業を取るに当たっては、Bという授業を先に履修しておいて下さい。という
縛りはあります。)

Mechanical Engineering(機械工学科)を例に取り、説明していきます。
このページによれば、

■ 修士課程修了に必要なCreditは、最低30(修士論文のための研究を含む)。
   Non-thesis optionといって、修士論文を書かないコースもあるのですが、修士課程に
   進んで論文書かないなんて、勿体無すぎます(特に理工系の場合は)。
     1つのコースが3単位なので、例えば専門科目8クラス&修論指導2クラス分で、
   3x8(コースワーク)+3x2(修論指導)=30 となります。

■ 博士課程修了に必要なCreditは、最低72(博士論文のための研究+修士課程時の
   クラスワークを含む)。もし修士で30取っていれば、博士課程では42取ればよい。

もっと具体的に、流体&熱工学コースの標準履修コースを例に取って説明します。
修士課程に入学したらば、

・Mathematical Methods in Engineering:応用数学
・Biomimetic Fluid Dynamics:生体工学?(イカが泳ぐのを模倣してロボット作る、みたいな)
・intermediate Thermodynamics:応用熱力学
・Computational Fluids and Thermal Engineering:数値流体&熱力学
・Intermediate Heat Transfer:応用熱流体力学
・Propulsion Engineering:推進工学
・Intermediate Mechanics of Fluids:応用流体力学
・Experimental Methods in Fluid Mechanics and Heat Transfer:流体・熱流体実験
・M.S. Thesis:修論指導

という感じで、コースワークを取り修論指導を受け、論文発表試験(またの機会に詳細を
述べます)を経て、修士課程修了となります。

上記の標準履修コースは、あくまでも"目安"であって、単位認定してもらえるコースで
あれば、上記以外を取っても問題ありません。
むしろ、自分が勉強しようと思っている内容に直結した科目を取る方が、良いかも。

めちすけは、ここで学部時代のサボリ癖が出まして…

・Complex Variables:複素解析(大学時代にやっていて、得意な科目でした)
・Optimization Theory:最適化理論(学部時代の卒論でやっていた)

なんていう楽~な科目を取って、少しでも楽してやろうと思っていました。
前者はA+で余裕だったんですが、後者は甘く見ていて、C+というあり得ない成績を取って
しまいました。超恥。

次回は、どんな感じで履修登録していくか説明します。
もはや紙ベースじゃないのに、驚いた記憶があります。これがgeneration gapか。

TOEFLが最後ではない:English Proficiency Evaluationの存在

 TOEFL。大学院に入学する前もした後も、英語に苦労する人は少なからず居ると
思います。めちすけも、絵に描いたようなそんな人でした。
TOEFLの点数はギリギリでクリアしたものの、修士課程の1年半、英語の授業からは
逃れられませんでした。お陰で、"お前、engineeringじゃなくてlinguisticsの修士を取りに
来たんだろ"とかからかわれる始末。余計なお世話だわ!

アイオワ大学および大学院の、英語に関する入学基準(English Proficiency Requirement)は


に載っています。確か、めちすけが入った2年後あたりに基準が厳しくなった覚えがあります。
上記リンク先にも載っていますが、大学院の入学基準は、TOEFL IBTスコアで81必要です。

で、めでたく81点取ったらそれで終わりではなく、TOEFL IBTスコアで100取れていない人は、
"English Proficiency Evaluation"という学内テストを受けなければいけません。
TOEFL IBTスコアで100というのは、昔で言うところのTOEFL PBT(紙ベースのテスト)で600点
に相当します。普通に勉強して取るのは…難しいスコアかもしれません。
(でも、ちゃんと取って入ってくる人もたくさん居ます。めちすけは、ダメでした)

English Proficiency Evaluation(EPE)の具体的な内容は、

■ EPE

に詳しく載っています。どんな内容のテストなのか、何分間受けるのか、合格基準はどの
くらいなのか、いつ受けなければいけないのか等等。
EPEのスコア次第で(TOEFL IBTスコアで100ある人は、EPEは免除です)、

1) 英語のクラスを取る必要は無い
2) English as a Second Language (ESL)のクラスを取らなければいけない
3) アイオワ大学付属の英語学校でクラスを取らなければならず、かつ本来の専攻である
  専門課程の授業受講が制限される

のカテゴリーに分けられます。

頑張って1)のカテゴリーに入れば、"engineeringじゃなくてlinguisticsの修士を取りに来た"とか
言われずに済みます。理想的。
願い空しく2)のカテゴリーに入ってしまうと、ESLのクラスを所定の単位数取らなければいけ
ません。
3)は、申し訳ないですが論外。なんでTOEFLのスコアがクリア出来たか疑問のレベルです。
ここにカテゴライズされると、専門課程の授業が分からない(英語がって意味で)可能性が
あるので、ほんとやり直した方が良い。

めちすけは、2)でした。
取らなければいけない授業は、readingの授業を1つ、writingの授業を2つ、speakingの授業
を1つだったと思います。

いつ何を受けたかは忘れてしまいましたが、2003年秋に1つ、2004年春に1つ、2004年秋に
1つ、2005年春に1つで、合計4つ。2005年春に修士課程を修了したので、結局修士の間は
ずっと英語のクラスを受けていました。

大体、専門課程の授業を3つ~4つ受けていたので、それに英語のクラスが1つ加わると、
結構しんどかったのを覚えています。
そして正直ベースで言いますが、その英語のクラスが全くと言って良いほど、無意味だった
っていうね。。。

クラス自体はちゃんとした先生が教えてくれるし、きちんと受ければ意味のあるものです。
正直、TOEFLで疲弊していた&専門課程の授業でいっぱいいっぱい&TA・RAの仕事も
たくさんあったので、ESLのクラスに対するpriorityなんて、下の下でした。
readingなんて、和訳本をAmazonで買ってさっさと済ませていました。
まあ、専門課程の授業を受けている中でのよい息抜きにはなったんだけども。

ということで、TOEFL頑張るなら、IBTで100目指してEPEを避けるべく頑張って!
IBTで81くらいなら、まあ観念してESL受けて!
といった感じですかね。

ちなみに、仲の良かったIndian brothersは"なんだそれ"みたいな感じでした。
TOEFL余裕みたいだったし、羨ましい限りです。